イントロダクション
INTRODUCTION
「道」は作るものではなく、
出来上がっていくもの。
この道が営みのトレースとなって
森の可能性を、未来へと繋いでいく。
チェンソーの音を頼りに森の奥へと歩いていく。
北海道を感じる針葉樹と紅葉樹の混じった森は
紅葉を迎え、冬の支度が始まっている。
私は今、街から森へ繋がる一本の道を辿って
林業の現場へとやってきた。
眺めても歩いてもどこか気持ちの良いその道は
美しい曲線を描いて森の奥へと広がっている。
本来の森の様相の中に
人間の営みの共存を感じられる、そんな場所。
足立成亮氏と吉田凱氏が考える林業、
その鍵を握るのは幅2.5m程の道だ。
森林作業道と呼ばれるその道は
綺麗なカーブを描いて森の奥へと繋がる。
人と自然の物理的な距離が近い北海道で
景観や森の機能を保全しながら
15年間林業を営んできた足立氏。
森や林業が少しずつ注目されるようになった今、
改めて森の資源、森の可能性を
正しい方法で伝えていきたいと考えている。
森とはどういう場所か、林業とは何なのか。
映画「Forest Trail」は、
北海道の森で林業を営む2人の木こりを追った
ドキュメンタリーフィルムである。
予告編
TRAILER
スタッフ
STAFF
Director 監督

Cast 主演

足立 成亮
Shigeaki Adachi
林業家(Outwoods)
札幌市出身。大学在学中から写真制作活動を行う中、森で働くイメージを抱き、2009年滝上町へ移住。森林調査・森林作業を行う企業で山仕事の修行を始める。2012年旭川市でフリーの木こりとして独立。山奥の林業から里山アクティビティまでのヤマのコトを生業とする。現在は札幌に拠点を戻し、北海道各地で活動。自然に負荷をかけず、人と自然の関わりを深める森林業が得意。

吉田 凱
Gai Yoshida
木こり/空師(杣屋GUY)
1974年7月生まれ愛知県出身。平日は会社員、週末は山を駆け回る暮らしを27年。北海道に通ううちに、そこに生きる人と自然に心を奪われ、木こりの道へ。今は、土地に根ざした多様な環境を守り森林を育てる林業をベースに、特殊伐採やアーボリスとしての高所作業にも取り組む。自然と向き合い、樹木と共に生きる日々を過ごしている。
Original Score 音楽
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守谷 元瑛
Motoaki Moriyaバイオリンと声を重ね、体と楽器の循環をテーマに演奏するバイオリニスト。これまでに、松竹の舞台音楽制作、札幌国際芸術祭に参加。飛生芸術祭(白老)、森の展示室(京都)にて演奏。
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シェーン・カレイラ
Shane Carreira1997年リオデジャネイロ生まれのピアニストおよび作曲家。即興性を重視したスタイルで、現在は札幌のイベントや展示会でピアノやシンセサイザーの演奏活動を行う。
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米澤 勇一
Yuichi Yonezawa音楽家、北海道小樽市在住。電子音楽やダンスミュージックが根底にあり、クラシック音楽や即興演奏にも影響を受けている。作編曲はピアノを主体とし、ライブ演奏ではシンセサイザーを用いたアレンジも行う。
監督・脚本・編集:中村祐太
音楽:
守谷元瑛・Shane Carreira・米澤勇一
撮影:瀬川貴博
機材協力:Newpeak Film
Sound Producer:
浦本和宏(Cosaell Creative Studio)
音響効果:
Keefer・佐々木堅司(Muse Box)
ロゴデザイン:Mars Lee
LPデザイン制作:3KG
コーディング:川畑拓也
翻訳:Rachel Walls
Sponsored by
In Association With
北海道日本ハムファイターズ
劇場情報
THEATER
※2025.11.10(月) 現在
2026年春より、劇場での追加公開を予定しています。
北海道・東北
| 地域 | 劇場 | 公開日 |
|---|---|---|
| 北海道 | 森と街のがっこう in Toya(洞爺湖町) | 10.11(土) ※終了 |
| 〃 | HIDAKA TRAIL DAYS 様似町 | 10.18(土) ※終了 |
| 〃 | 小さな町の小さなマルシェ(島牧村) | 10.19(日) ※終了 |
| 〃 | 北海道大学 エンレイソウ | 10.25(土) ※終了 |
| 〃 | 山郷(小樽銭函) | 11.1(土) ※終了 |
| 〃 | 東川アウトドアフェスティバル | 11.9(日) ※終了 |
お問い合わせ
CONTACT
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コメント(五十音順)
COMMENT
北アルプスの山道と風景を保全する私たちの「道直し」は想像と観察から始まる。もともとはどんな場所だったのか、どのようにして風景は今の姿に至ったのか、そしてこれから私たちはどのような場所を歩いていたいのか。そうして行う作業では、ひとつの木、ひとつの石に願いが刻まれ、そこに記憶や愛着が生まれて育つ。この映像にある、未来をつくっていく感覚に触れ、あぁ、同じなのだ。と思った。
伊藤敦子
北アルプス 三俣山荘
北海道のこんな身近な森がこんなに美しかったんだと思う程、圧倒的に映像が美しかった、木こりたちも。今の林業って大きな問題を抱えているんだという事、そしてそれに対して奮闘している木こりがいるっていう事を考えたり知ったりしてもらえるフックになるのではないか、なったらいいな、と思いました。
金内智美
piccolina
40歳を越えた時、自分が初心者になれる場所に行きたくなった。その時に出会ったのが、この映画に登場する優しくて美しいカーブを描いた“道”と、かっこいい木こりたち。「森」は知らない、わからないことだらけ。だからおもしろい。「街」で生きる僕が「森」に行く理由が、この映画にある。
河野真也
オクラホマ
向き合っている森が本来持っている潜在的な様子まで意識をして林業をやっている点が素晴らしいと思います。自分たちがまず森を楽しむところから生まれてくる森と人をつなげる道。自分も歩いてみたくなりました。
齋藤均
北限のブナ研究所
北海道の美しい森の映像と風や鳥のさえずり、葉の擦れ合う音の間に、樵の言葉がさまざまなメタファーを伴い、僕たちに語りかける。森という圧倒的な現実と、人間の透明な想像力の交差する現場を捉えたこの作品は希望であり、街と森をつなぐ「道」になりえるだろう。
神輝哉
Seesaw Books 店主
かっこいい木こりたちの姿をみてください。森の力に気づいた人が、持てる力の全てを使って、森と生き物が生き続けられる未来への道を作っている。作業をパーツにわけて生産性を上げることばかりしていると、わからなくなることがあることを思い出しました。
菅山明美
日本環境教育フォーラム 理事
もうかれこれ33年間、山を歩いている。雪山を登る時は身体への負担が少なく、歩きやすい且つ安全なラインを選択する。その道中で時折出会う先行者の足跡。自然の波長をキツネと同じ感覚でいれたことが嬉しくなる。二人が作るトレイルを歩くと森や人への配慮、が見えてくる。また歩いてみたい。そして感じたい。森の道と営みにフォーカスした記録として貴重な作品と言えるだろう。
奈良亘
北海道山岳ガイド協会 監事
人の手が入ってない森は何となく怖いイメージ。だけどそこに道が出来ると一気に森が身近に感じられる。入りやすくなる。この映画は観た人を森や林業へと導いてくれる、文字通り道のような映画だと思う。そしてやっぱりカッコいいってのは大事だ。
舛森拓郎
サカシタペチカ
この映画は淡々と、多くを語らず、山の自然と、そこでの営みを追いかけているのだが、映像の奥深い所にある、自然と向き合い、自らつくり、生きていくという、根源的な営みの美しさ、力強さ、そして愛おしさに涙してしまう。私たちは、つくることから遠ざかり、使う人、ただ消費することで暮らしている。そして、もやもやして、ぼんやりして、うつろっている。ここには、つくること、いきることの本質が、凛としてある、そして、心が震える。
若杉浩一
武蔵野美術大学 造形構想学部 教授